知ってますか「志村喬」 盛況の合唱祭!
6月7日(土)、延岡市の野口遵記念館で演劇が上演されました。映画「七人の侍」「生きる」「羅生門」「ゴジラ」などに出演した昭和の名優、志村喬さん(1905~82)を取り上げた劇です。映画「男はつらいよ」で、フーテンの寅さんの妹の義父役として、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は延岡で生まれて幼稚園まで過ごしましたが、志村さんと延岡との関わりは、最近までよく知りませんでした。
劇では、志村さんが兵庫県から母親と延岡に移ってきて、旧制延岡中学(今の延岡高校)で過ごした時代が描かれます。ボート部に所属していたことや、延岡の愛宕山を詠んだ詩のことも初めて知りました。その後、俳優としての歩み、戦中の厳しい体験、黒澤明監督から重宝されNYタイムズが世界一の名優と評価した時代、妻の政子さんとの暮らしなどが描かれます。志村喬の人生を描くだけでなく、現代のおもちゃ工場で働く人々などを巧みに織り交ぜ絡ませながら、ストーリーが進んでいきました。
作・脚本は延岡市の出身で、「とんび」など数々の映画やテレビドラマの脚本を手がけられている港岳彦さん、演出は宮崎県の元高校教師で長年演劇の指導にあたられてきた段正一郎さん、喬の妻・政子を演じたのは、宮崎市出身で映画やドラマで活躍の山田キヌヲさん。他に宮崎ではおなじみのMr.Bunnyさん、宮崎や延岡の劇団、延岡高校の演劇部や吹奏楽部、延岡の太鼓隊など、大勢で創り上げる勢いのある舞台でした。私が見た昼の部はほぼ満席で、夜の部も大好評だったようです。
役者として生ききった志村喬さんの歩んだ道がわかるとともに、「生きる」ことについて考えさせられ、想いをはせることができる時間でした。
6月8日(日)は、劇場のアイザックスターンホール(コンサートホール)で、県合唱祭が開催されました。今年で71回目の歴史ある合唱祭。参加したのは、県内の小中高校や、大人の女性・男性・混声の合唱団など、38のグループです。
各合唱団はいわゆる合唱曲のほかに、ポップスや歌謡曲、アニメのテーマ、最新のJポップなど、思い思いの曲を披露。歌うだけでなく、踊りなどのパフォーマンスも加えて、工夫を凝らした楽しいステージが繰り広げられます。休憩をはさみながら、午前10時前から夕方17時近くまで、大半の合唱を聴きましたが、飽きることはありませんでした。雨が降り続く一日でしたが、合唱団ごとに入れ替わるお客さんや、様々な合唱を聞き続ける人も含め、客席は盛況でした。
合唱祭の締めくくりは熊本と鹿児島から来られていた合唱関係者による講評。ホールの音響を意識した声の出し方や、乱れのないハーモニー、お客さんを飽きさせない様々な工夫を、高く評価されていました。