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パイプオルガン紹介

パイプオルガン

九州の公立ホールで初めて設置され、国産のオルガンとしては日本最大であるパイプオルガンは、県民の皆様からの寄付もいただき制作されました。
デザインは、西都原古墳群から出土した子持家形埴輪(国の重要文化財)をモチーフとしています。また、パイプオルガンの中央には、「日向(ひむか)の国宮崎」にちなんだ“太陽”のモチーフが輝き、66あるこのオルガンの音色には、宮崎の神楽をモチーフにした「篠笛」の音色も取り入れられています。

特徴

※サムネイル画像をタップして、その他の特徴をご覧いただけます。

パイプオルガン
パイプオルガン
パイプ
ストップ
ツィンベルゾンネ

パイプオルガンとは

オルガンが産まれたのは古代ギリシャ。今から2,300年以上も前のことです。「オルガン」という名称は、「道具」を意味するギリシャ語の「オルガノン」からきています。
日本では一般にオルガンというとリードオルガンを指すことが多く、これと区別するためにパイプオルガンと呼びますが、欧米でオルガンといえば、パイプオルガンのことです。
パイプオルガンは一般に鍵盤楽器として分類されますが、パイプに風を送って音を鳴らすという点では、むしろ管楽器と言えるかもしれません。

パイプオルガン

パイプオルガンの仕組み

パイプオルガンのパイプは“笛”。人が笛を鳴らすときは、肺でつくる息を吹き込み、舌でその流れを調節しますが、オルガンは肺のかわりに「吹子(ふいご)=送風装置」で風を作り、舌のかわりとなる「鍵盤」を操作することによって、「パイプ」という“笛”に風を送り楽器が鳴る仕組みになっています。

パイプオルガン

パイプについて

パイプオルガンは、一本のパイプで、一つの高さの音しか出せません。さらに、一つの音色を数本のパイプで出している場合もあります。宮崎県立芸術劇場のパイプオルガンでは、66の音色を4,047本のパイプで出しています。外から見えるパイプの裏側にも、大小様々なパイプがびっしりと並んでいるのです。
劇場のパイプオルガン製作時、全てのパイプを整音する際に出た切り屑は、一斗缶2杯分にも及びました。

パイプ

ストップについて

オルガンの演奏台(コンソール)の左右にはドアノブのようなものがたくさん付いています。これは「ストップ(音栓)」といい、「トランペット」や「フルート」などそれぞれ音色の名前が付いています。このストップを引くことによって使用するパイプ(音色)を選ぶことができます。オルガン演奏者は、演奏する曲ごとに、または曲の途中にストップを操作することで、様々な音色を使い分けています。
劇場のパイプオルガンには「篠笛」の音栓(写真中央)がありますが、これは製作者の須藤さんが高千穂神社で手にした一本の神楽笛から、実験を重ねて生み出されたもので、その音色はここでしか聴くことができません。

ストップ

ツィンベルゾンネ

オルガンの中央で輝くのは「ツィンベルゾンネ」。「ゾンネ」はドイツ語で「太陽」の意味です。通常は星(=【独】シュテルン)の形をしていて「ツィンベルシュテルン」と呼ばれますが、劇場のパイプオルガンでは、“日向の国 宮崎”にちなんで太陽の形になっています。飾りのように見えますが、これもオルガンの一部。鈴の音を鳴らしながら、太陽の周りが回転します。
パイプの上には雲をイメージした装飾もあり、堂々として美しい佇まいもパイプオルガンの魅力のひとつです。

ツィンベルゾンネ

概要

規模 四段手鍵盤 ペダル付き 66音栓※音栓一覧表
音域 手鍵盤 56音
ペダル鍵盤 30音
演奏機構 本体演奏台 機械式
送風機構 電動送風機(4台)
大型空気溜(2台)
パイプ総数 4,047本
本体の高さ 10.15m(オルガンバルコニー床面より)
13.50m
奥行 約3.50m
重量 約18トン(推定)
最大パイプ 長さ約7.5m、直径280mm、太さ432mm×352mm
最小パイプ 長さ約12mm、直径4.4mm
使用木材 楢、楓、ブナ、スプルースより
金属パイプ 錫鉛合金(パイプにより配合は、錫含有率20%~80%)
製作 (株)須藤オルガン工房

製作者

(株)須藤オルガン工房 須藤 宏

須藤 宏(株)須藤オルガン工房

公式サイト

プロフィール(略歴)

1969年 上智大学理工学部卒
1969年~1971年 辻オルガン製作所にて修行
1971年~1977年 西ドイツ(アルビーツ・オルガン製作所)にて修行。
この間、20台以上のオルガン製作に携わる。
1977年 オルガン製作マイスター(親方資格)取得後帰国
須藤オルガン工房設立
1985年 株式会社組織変更…現在に至る

宮崎県立芸術劇場コンサートホールのオルガン披露演奏会に寄せた須藤さんのエッセイです。

(株)須藤オルガン工房の公式サイトに、劇場のオルガンの組立記録が掲載されています。

総合計画・製作 (株)須藤オルガン工房 
デザイン・設計 須藤 宏
製作・組立 (株)須藤オルガン工房
須藤 宏
 島田 力・坂間 理香・安野 一真
 小泉 匡・宮田 雅浩
整音・調律 須藤 宏・小泉 匡・宮田 雅浩
筐体製作・組立 (有)日章装備
 畑 敏夫・畑 雅裕
筐体組立協力 大野工務店 中村班
手鍵盤製作 久保田チェンバロ工房
ペダル鍵盤・吹子・送風管製作 (株)三創工芸
金属パイプ製作 F.J.Rogers Ltd. 
音栓仕様助言・協力 Verena Lutz
メンズール(パイプ寸法)助言協力 George LhÔte 
デザインコンサルタント・装飾計画・装飾製作・色彩計画 高橋 英子
コンビネーションプログラム・製作 (株)須藤オルガン工房
電子補助機器取付協力 佐々木 康平
送風機製作 A. Laukfuff
輸送・搬入協力 (株)日立物流
その他協力 F.Stemmer/O.Heuss
(株)鈴木機工・野々村工芸・相南発条
高千穂神社