ありがとう! サル・マンジャー

館長のつぶやき

サル・マンジャー(Salle Mandjar)。

県立芸術劇場からほど近い住宅街にあるホールです。内部は美しい杉の木の壁で覆われ、収容人数は1階と2階あわせておよそ80人。コンパクトですが音響が素晴らしい美しいホールでした。10年前にできたこのホール、今月で終了することになり、7月20日に最後の公演が行われました。

 

最終日は朗読。フリーアナウンサーの薗田潤子さん・前田晶子さん・倍友子さんによる「宵がたり」の第二十一夜。「怪談 小泉八雲」の世界と題して、「雪おんな」や「ろくろ首」などの八雲(ラフカディオ・ハーン)の作品が披露されました。

俳優、日髙啓介さんの男声の語りも加わり、衛藤和洋さんのパーカッションが怪しい雰囲気を創り出す中、不思議な話に引き込まれていきます。

私がサル・マンジャーを知ったのは去年の夏。それ以降、弦楽器や、フルート、ピアノ、歌などのコンサートや、朗読劇などに足を運びました。出演者は、全国的に活躍しているアーティストのほか、宮崎で活動を続けている方々、中には高校の先輩もいらっしゃって、久々の再会も。

様々な素晴らしい公演を提供し、宮崎の人々のパフォーマンス発揮の場でもあった貴重なホール。最後は出演者も観客も「ありがとう!サル・マンジャー」の言葉で見送りました。県立芸術劇場には、イベントホールというコンパクトなホールもあります。サル・マンジャーが担ってきた役割の一端を、担っていかなければとも想いました。

 

 

6月中旬から7月にかけて当劇場では、劇場主催の、大西順子さんなどによるジャズや、パイプオルガンの良さを引き出す「オルブラ」公演などがありました。

またお笑いコンビ「ジェラードン」と「ネルソンズ」による「ジェネレーソンズ」の公演や、立川志の輔さんの落語では、会場全体に笑いがあふれました。

ジェネレーソンズ(2025年6月14日)

 

劇場では8月も様々な公演やコンクールなどが続きます。ちょっと足を伸ばしていただいて、暑さをふっとばしていただければと思います。

この記事を書いた人

松坂千尋(まつざか ちひろ)
1957年宮崎県延岡市生まれ。小学校から高校まで、宮崎市、日南市、東郷町(現日向市)在住。
2024年6月末から宮崎県立芸術劇場の理事長兼館長。

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