古代ギリシャと宮崎弁
宮崎弁で、女性をあらわす「ひゅうがかぼちゃ」と男性をあらわす「いもがらぼくと」。
その2つの言葉を組み合わせた「新 かぼちゃといもがら物語」シリーズでは、セリフに宮崎弁を取り入れ、宮崎の“いま”を生きる男女を描いた作品づくりを行っています。番外編となる今回はギリシャ時代の悲劇『アンティゴネ』を原作にしていますが、今回も宮崎弁を取り入れた作品をつくります。
稽古2日目、みんなでセリフを宮崎弁に変換していきます。
古代ギリシャの作品なので、翻訳されたセリフでも言葉や表現が、現代に生きる我々にはとても縁遠く、文字で読むとなんとなく分かる言葉が、耳にすると音と言葉が結びつきにくい……。
それを、各自が宮崎弁に変換したものをみんなで読んでみたのですが、これがとっても面白い!
登場人物たちが急にグッと近づき、勢いやテンポ感が増し、より熱が感じられる生き生きとしたセリフに!急な印象の変化に、稽古場では思わず笑いが起きていました。
例えば、
「〜故」→「〜じゃかい」
「わしから尊ばれよう」→「おれかい大事にされっど」
「この原則に則って触れを出したのだ」→「こんげなこつで触れを出したとよ」
など、細かく宮崎弁に変換していきます。
しかし、ただ宮崎弁にするわけにもいきません。原作のセリフがもつ情報やニュアンスとバランスをとりながら、耳で聞いて分かるセリフになっているか、どこまで宮崎弁に変換し、変換せずに残した方がいいところがあるか。また、一口に宮崎弁といっても、住んでいる地域や年代によって程度もさまざま。ああだこうだと意見を交わし、何度も声に出して読んで検証しながら、セリフを宮崎弁に変換していきます。
約2500年も前の古代ギリシャの世界が、セリフが宮崎弁になることで、とても身近なものになっていく、この感動をぜひ客席で味わっていただきたいです!