【音楽祭】「三浦文彰コンサート・キャラバン」を開催しました!

公演にまつわること

先日、第30回宮崎国際音楽祭のふれあいプログラムとして「三浦文彰コンサート・キャラバン」をお届けしました。4月24日(木)に諸塚村中央公民館、25日(金)に西米良村立西米良中学校で、地元の子どもたちやお住いの方々を招待して行われ、両日合わせて300名近い方にご来場いただきました。

ヴァイオリンは音楽監督の三浦文彰さん、ピアノは三浦舞夏さん、司会は竹平晃子さん。演奏曲の紹介やヴァイオリンの仕組み・奏法についてのお話を交えながらのコンサートとなりました。

最初にお送りしたのは、演奏会の最初に演奏されることが多いというエルガーの「愛の挨拶」。

 

昨年、徳永二男前音楽監督が始めたコンサート・キャラバン。音楽祭がはじまった当初から携わり、長年音楽監督を務めてきた徳永さんから「音楽祭として大切な役目であるプログラム。すごく楽しかった」と聞き、「とても楽しみにして来た」という三浦文彰さん。「30回という節目を迎えた今年の音楽祭は、海外からの演奏家やオーケストラの公演など、とても華やかなプログラムの数々。その中で、こうして劇場の外に出て、キャラバンができたというのはとてもうれしい」と話しました。

 

次にお送りしたのは、20世紀を代表するヴァイオリニストで作曲家のフリッツ・クライスラーによる「愛の喜び」「愛の悲しみ」。「どちらも三拍子でワルツのリズム。喜びの踊り、悲しみの踊りという感じで聞いてください」と三浦文彰さん。

 

ピアノの三浦舞夏さんは、小学4年生の頃からほぼ毎年、宮崎に来ていらっしゃいます。ミュージック・アカデミーの受講や、音楽祭への出演、アカデミーの伴奏者を務めたりもされていて、「宮崎は第二の故郷」と思ってくださっているそう。ピアノの魅力について、「伴奏やメロディラインなど全て一人でできて、オーケストラのように音色づくりをして、音楽をつくりあげていく、というところ」と話す三浦舞夏さんが次にお送りしたのが、ショパンの「幻想即興曲」。「ピアノの詩人と呼ばれるぐらい、ピアノの名曲を生み出したショパンの曲で、皆さんどこかで聞いたことのあるような有名なフレーズが出てきます。“即興曲”といっても、即興で書いたわけではなく即興曲風に書かれていて、とても自由で中間部分のゆったりした部分とその前後の激しい渦巻くようなメロディーとの対比が美しい曲」という三浦舞夏さん。ちなみにこの曲は5月6日(火・振)の500円コンサート「0歳のための音楽会」でも演奏されるそうで、気になる方はぜひ。

 

「幻想即興曲」に続けてお送りしたのはNHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ曲。この曲について、三浦文彰さんは作曲された服部隆之さんから「ヴァイオリンは綺麗な音が出る楽器ですが、綺麗なだけじゃない音色、ちょっと土臭い侍っぽい音を、というようなことを言われました」と話しました。

 

ヴァイオリンの音が出る仕組みについての紹介では、弓毛が“馬のしっぽ”でできていると知っている子どもたちが多く、三浦文彰さんも竹平さんも驚いていました。

 

その後お送りしたのは、マスネの「タイスの瞑想曲」、ヴュータンの「ヤンキードゥードゥル」の2曲。「ヤンキードゥードゥル」では、子どもたちが「あ!」とざわつく場面も。「ヴュータンは、非常にヴァイオリンの技巧的な、テクニックの難しい曲を書いた人で、有名なアメリカ民謡のメロディーのアレンジを書いた曲」と三浦文彰さんが話し、気づいた子どもたちが「アルプス一万尺だ」と楽しんでいる様子がうかがえました。

 

ヴァイオリンの奏法についても、ピツィカートやフラジオレットといった特殊な演奏法の紹介が行われ、最後にお送りしたのはサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」。「スペインの大ヴァイオリニスト、サラサーテの曲で、クラシック音楽の中でも有名な曲なので、聴いたことがある人も多いかもしれません。技巧的な部分をたくさん楽しんでもらえるような曲です」。三浦文彰さんの超絶技巧を、きらきらした目で見つめる子どもたちの姿がとても印象的でした。

 

演奏会を終え、三浦文彰さんは「最後まで皆さんとっても集中して聴いてくださって、とてもうれしかったです。本当に今日は貴重な、私たちにとって貴重な時間でした。音楽祭は5月18日(日)まで続きますが、皆さんからとても元気をいただけたので、最後まで頑張りたいと思います」と話し、三浦舞夏さんは「皆さんからダイレクトに反応が伝わってきて、とても幸せな時間となりました。音楽祭は盛りだくさんのプログラムなのでぜひ足を運んでいただけたらうれしいです」と話しました。

諸塚公演の終演後、諸塚小学校4年生の奈須桧里(ひさと)くんに感想を伺いました。「はじめての生の演奏で、ものすごい迫力でした」「ヴァイオリンにたくさん弾き方があることに驚きました。印象に残った演奏は、真田丸。きれいな音だけれど、力強さを感じました。また聴いてみたいです」と話してくれました。

▲仲良し3人組。真ん中が奈須君。

<プログラム>
エルガー:愛の挨拶
クライスラー:愛の喜び、愛の悲しみ
ショパン:幻想即興曲
服部隆之:真田丸
マスネ:タイスの瞑想曲
ヴュータン:ヤンキードゥードゥル
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン

第30回宮崎国際音楽祭は5月18日(日)まで!ぜひご来場ください。お待ちしています!

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この記事を書いた人

Tatsuro Aoyagi(あおやぎ・たつろう)
辰年、大晦日生まれ、やぎ座、三男、2児の父です。東京生まれ東京育ちで、紆余曲折あり宮崎生活7年目。東京生まれ東京育ちと言うと、信じてもらえません。

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