天井だけじゃない!変わった演劇ホールのお話

施設について

2023年8月から行われていた天井改修工事ですが、その期間中、ホールや練習室が使えないということで、実は天井以外の部分も工事をしています。

その内の一つとして、演劇ホールの舞台機構設備が変わりました!

舞台機構設備ってなんだ?、とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、舞台の上に照明や幕、緞帳などを吊り下げて、昇降させる設備のことをさします。ステージに立って上を見上げると、たくさん棒(バトンといいます)があって、それがワイヤーにぶらさがっているのが見えると思います。

▲演劇ホールのバトンがずらりと並んでいます

これがどう変わったか、宮崎県音響照明舞台事業協同組合(通称MAST)の土屋さんに、教えていただきました!

舞台機構設備のどこが変わったんですか?

ひとつひとつに、インバーターというものがつきました。今まで、一定の速度でバトンを上げ下げしていたのですが、そのスピードを変えられるようになりました。10段階。1秒間に10cm~1mの間で変化できます。

▲旧操作盤の写真(2018年、25フェス時の土屋さんと)

バトンって何本あるんですか?

美術バトンというのは、20本あります。それに、文字幕バトンや袖幕バトンの11本を加えて、31本あります。今までは1本しかインバーターが入っていなかったのが、今回全部のバトンに入りましたね。

▲床にはどこにバトンがあるか、目印がたくさん

そうすることで、やっぱり変わるんですか?

ゆっくり動かしたり早く動かしたりできるので、できることが増えますね。音楽に合わせて動いたり、セリフに合わせて動かしたりということができるようになりました。お芝居やコンサートで利用される方には、喜ばれると思います。

今までも、バトンを動かしたりする演出はあったそうですが、その時は袖にいる人が人力で上げ下げしていたそうです。それを考えると、リハーサルで決めた通りのスピードで動かすことができるので、ステージの演出の幅が広がって、ワクワクしますよね。ちなみに、県内でこのインバーターを導入しているのは、都城市総合文化ホールさんぐらいだそうです。

そして、実はその他にも変わったことがあるとのこと。

実は、オペラカーテンも変わりました。今まで黄色っぽいクリーム色だったのが、ワインレッドになりました。

めちゃくちゃ上品な雰囲気ですね!開くとなお、きれいですね!

これもスピードが変えられます。バレエやオペラでよく使われています。色が変わってかっこよくなりましたよね。

あと、幕も変わりました。

幕が変わった?

今まで、別珍素材のヒダあり、というカーテンみたいに波打っているものだったんですが、ウールサージ素材のヒダなし、平面になりました。

ヒダなしにすると、どうなるんですか?

薄くなったので、袖からの出入りがしやすくなりますよね。そして、文字幕(写真の横長の幕)もヒダなしになったので、きれいな四角がつくれます。ちなみに、引割幕(左右に開閉する幕)が増えたことも、変わった点のひとつですね。

▲引割幕

収納するときは、端から波状になっていくので、客席から見える部分は平らのままになります。この仕組みがすごいんです。

▲幕の留め具部分

留め具にストッパーがついていて、ロープに引っかかって真っすぐなままになるようになっている。一見単純なんですが、考えた人すばらしいですよね。

あと、照明や音響も変わったので、そちらについてはまた今後!

土屋さん、ありがとうございました!

▲バトンを操作する土屋さん

演劇ホール以外にもさまざまなところが変わっているので、ご紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに!

お読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人

Tatsuro Aoyagi(あおやぎ・たつろう)
辰年、大晦日生まれ、やぎ座、三男、2児の父です。東京生まれ東京育ちで、紆余曲折あり宮崎生活7年目。東京生まれ東京育ちと言うと、信じてもらえません。

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