ハデス、こなす、しょのむ……
稽古は3日目です。昨日に引き続き、グループに分かれてセリフの宮崎弁への変換が行われています!
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黒田さん、川添さん、梢栄さんのグループの話に聞き耳を立てていると、セリフに出てくる「ハデス」(ギリシャ神話に出てくる、冥府の神)をどうするか、話し合っています。
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「ハデス」を「神様」「仏様」に言い換えた方がいいか、「神様」を採用したら「かみさん」という音の響きが妻を意味すると思われるのでは、セリフがアンティゴネ(女性)のものなので「かみさん」でも大丈夫なのでは、「死神」の方が良いのでは、「閻魔様」は行き過ぎだな、などなど……。一つ一つの言葉に引っかかりつつ、丁寧に検証していっています。
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こちらの河内さん、中野さん、香川さん、松永さんグループでは、とあるセリフを無理に方言にするのではなく、イントネーションだけ宮崎弁に寄せた方が良いのではと、みんなで口を揃えて復唱し、その思わぬ効果にそばで聞いていて思わず笑ってしまいました。
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やはり、年代や住む地域によって、程度が異なってくる宮崎弁。
例えば、
・「苛(いじ)める」を「こなす」
・「妬む」を「しょのむ」
・「不幸」を「のさらん」 *いいことが降ってくる「のさる」(神様からの授かり物を「のさりもん」)、その否定形の「のさらん」はいいことが降ってくるけど落ちていく→運が悪い、恵まれない
・「うんざりした」を「あんどした」 *「安堵」ではなく、「飽きた」
など……。出演者の中でも知る・知らないが分かれる言葉の数々。枚挙にいとまがありません!
本番にお越しいただくお客さんにとって、宮崎弁の持つ良さを活かしつつ、『アンティゴネ』の世界を伝えるにはどうしたらいいか……これから稽古で検証を重ね、変換するのか、元に戻すのか、削るのかを考え、精度を高めていきます!
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◆個人的に印象的だった変換ワード◆
「自由に動き回らせてはならぬ」→「きびっちょけ(縛り付けておけ)」
「片棒を担いだことを」→「かししたつを(加勢したことを→かししたこつを→)」
この記事を書いた人
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