リニューアルオープン

施設について館長のつぶやき

4月1日。劇場は1年8か月ぶりに全面オープンしました。

改修工事に伴う長い休館期間中、劇場の事業は、県内各市町村のホールなどをお借りしてやってきました。関係の方々と、各地の公演に足を運んでいただいたみなさんに、改めて感謝申し上げます。

 

今回の改修で劇場はどう変わったのでしょうか。

大きな柱は天井の耐震性強化です。東日本大震災の後、建築基準法が改正され、全国各地のホールで 耐震改修が進められています。対象は人が利用する、高さ6メートル広さ200平方メートルを超える天井で、当劇場は、3つのホール全てが該当しました。天井の工事のためには、足場を組む必要があり、椅子や機材などを撤去しました。外した椅子や機材を、廊下や練習室にも置く必要があったため、全館で休館せざるを得ませんでした。びっしり組まれた足場は、下から見上げると、上がほとんど見えないところもありました。

 

そして音響に影響を与えないよう、天井の裏側から工事を実施。

新たにボルトを設置してワイヤー増やしたり、繊維シートというもので天井板が落下しないように補強したり。工事に使われた新たなワイヤーの数は、3ホールあわせて4500本余りにも上ったということです。更に横揺れなどに備えるため、天井裏に鉄骨も増強されました。シャンデリアも、それぞれのパイプの中に新たなワイヤーが設置され、耐震性が強化されました。天井耐震工事の大半は去年の夏には終わっていて、去年8月に宮崎市で震度5強の地震があった際にも、工事の有効性が確認されています。

 

それから安全性を高め建物を今後も使っていくための、外壁や屋上などの改修も行われました。

30年あまりがたって、外壁にはひび割れや、タイルが浮いているところもあり、補修されました。雨漏りなどを防ぐため、屋上でも工事が行われ、膜を塗って防水機能を高めたり、劣化した石版を取り替えたりする工事も行われました。

 

室内では照明や音響などの設備も更新されました。

照明については、コンサートホールの場合、ホールの上の部分に照明器具などを吊るバトンというものがあります。以前は4つのバトンのうち2本にしか照明がありませんでした。今回バトンは1つ増えて5本になり、その全てに照明がつけられ、以前より明るくなりました。さらに照明はシャンデリアを除いてLEDになり、消費電力が大きく減ったほか、色を自在に変えることができるようになりました。

 

音響も変わりました。

コンサートホールには、スピーカーが8個まとまった、メインスピーカーが設置されたのに加え、ホール内の両脇の柱に補助スピーカーが設置されました。コンサートホールは音響が良すぎて、生の音は良いが、マイクを使うと音が回る、音が反響して少し聞きにくいという指摘もありました。改修で音の明瞭度は改善され、マイクを使ったコンサートや講演などでも聞きやすくなっています。

 

その他の舞台設備も更新されました。

演劇ホールには、照明や幕、緞帳(どんちょう)などを上げ下げするバトンがあります。このバトンを動かす速度を、10段階で自由に変えることできるようになり、多彩な演出が可能になりました。カーテンや、幕も更新されています。

この他、エレベータも更新され、安全性が強化されました。

 

劇場は今回の改修で耐震性・安全性が向上し、使い勝手も良くなりました。今後有効に活用していくことが何より大切だと考えています。みなさんに足を運んでいただき利用していただける、県民の文化の拠点としての役割を果たす努力を続けていきます。

(改修については、1月31日と2月7日の Tatsuro  Aoyagiのブログもご覧ください)

1月31日掲載 天井だけじゃない!変わった演劇ホールのお話

2月7日掲載 ここも変わったよ!アイザックスターンホールのお話

この記事を書いた人

松坂千尋(まつざか ちひろ)
1957年宮崎県延岡市生まれ。小学校から高校まで、宮崎市、日南市、東郷町(現日向市)在住。
宮崎南高、東大卒。記者としてNHKに入局し、ニュース7NW9編集責任者、社会部長、編成、広報、経営企画、専務理事などをつとめ2023年4月退職。
2024年6月末から宮崎県立芸術劇場の理事長兼館長。

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