心が動くそのとき
はじめまして。宮崎県立芸術劇場で演劇・ダンス事業の企画制作を担当しています、林田古都里(ことり)といいます。この仕事をしていると、よく「芸名ですか?」と聞かれるのですが、本名です。
さて、劇場職員によるスタッフブログのはじまりです!
働いている職員のこと、劇場のこと、舞台芸術のこと……宮崎県立芸術劇場をもっと身近に感じていただけるような、様々なトピックの記事を投稿していく予定です。宮崎人らしい、のんびりしたペースの更新になるかと思いますが、どうぞお付き合いください。
3月6日、担当していた劇場プロデュースの演劇公演「新 かぼちゃといもがら物語」#6『火球』が千秋楽を迎えました。
2016年から毎年回を重ねている演劇公演シリーズ「新 かぼちゃといもがら物語」は、今回で第6弾。「宮崎を舞台に“今を生きる”人々を描く」というテーマで、第一線で活躍する劇作家や、県内外で活躍する俳優らを迎えて、宮崎オリジナルの演劇作品を創作・上演しています。
今回上演した『火球』は、劇団KAKUTAを主宰し数々の戯曲賞を受賞している桑原裕子さんを脚本に迎え、県北・延岡市にある離島、島野浦島(しまのうらしま)が舞台の物語が生まれました。
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●公演の詳細はこちら↓↓
「新 かぼちゃといもがら物語」#6『火球』
2022年3月2日(水)~6日(日) 会場:イベントホール
https://miyazaki-ac.jp/event/2021/3792/
●劇場のFacebookページでは、稽古や公演の様子をご紹介しています↓↓
*【かぼいも#6『火球』 主演・蕨野友也さんがみやこんじょ大使に委嘱!】
*【かぼいも#6『火球』 稽古スタート!】
*【(株)トンボ様から衣裳をお借りしています!】
*【「かぼいも」#6『火球』初日終演!お客様インタビュー】
このシリーズでは、劇作家に宮崎に滞在して取材をしていただいたり、出演者にもモデルになった地域を視察していただくので、私たち劇場の担当職員がアテンドします。
「劇場で企画制作をしている」と言うと、アーティストとやり取りしたり、劇場でお客様をお迎えするイメージが強いようですが、県内の学校や施設にうかがって作品の上演やワークショップを行うアウトリーチ事業や、県内各地の文化施設等と協同して行う公演など、実は劇場の外に出る機会はたくさんあります。
プライベートでも比較的、遠出をすることが多いので、数えてみたら宮崎県内の26市町村、全てに足を運んだことがあるのでした。
で、前置きが長く硬くなってしまったのですが、県内各地に足を運ぶと、それはもういろいろな景色や人に出会います。アウトリーチで山間部の小学校に行けば、子どもたちの素朴な素直さにはっとさせられたり、深い山奥を流れる川の水の美しさに魅せられたりするし、『火球』の取材のなかで出会った島の人たちは、豪快で楽しくて、ときどきちょっとめんどくさいけど憎めなくて、その魂の美しさに、やっぱりはっとさせられる。
そんな、自分の心が動く瞬間が面白くて、よく写真を撮っています。
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もともとミラーレス一眼(FUJIFILMのX-E2)を使っているのですが、生来の面倒くさがりでこだわることが大の苦手、さらに最近は面倒くさがりに拍車がかかり、デジタルはあまり撮らず、もっぱらフィルムカメラを使うようになりました。
…と言うとよりこだわりが強く思われそうだけど、「写ルンです」だったり、祖父が使っていたフィルムのコンパクトカメラを譲り受け、その辺で手に入るフィルムを使うくらいのもので、“とにかくシャッターボタンを押して、現像に出せばいい”というレベルです。雑すぎてどこかから怒られそうです。すみません。
心が動くその一瞬に、色温度とか感度とかシャッタースピードとか考えるのが面倒くさくて(やっぱり面倒くさい)、とにかくその一瞬を焼き付ける、という意味では、「写ルンです」くらいの手軽さがちょうど良いのかなと思ったりします。あとは仕上がりも現像してみないとわからないので、写っている景色と出会い直せる、というのも、雑なフィルム撮影の楽しみの一つかもしれません。
↓この辺はたぶんコンパクトカメラ(ペンタックスのESPIO115)で撮っていて、
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↓この辺は「写ルンです」です。(たぶん。)
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こうやって写真を並べて見返していると、そのときの記憶、あるいは体感がよみがえる。写っていないけどあの人と一緒だったなとか、何をしたときのことだなとか。あるいはただ、寂しかったな、とか、なんだか浮かれてたな、とか、感情だけが浮かんでくることもあるし、しんとした空気の冷たさや、頬をなでる風の柔らかさを体で感じることもある。
他人から見たらなんの変哲もない写真かもしれないけど、誰に評価されるわけでも、SNSで「いいね」を稼ぐためでもない、ただ自分の心を動かした“そのとき”を残すための、自分だけのための写真。そういう楽しみ方もあっていいし、そして、そういうことを楽しめる、心の余白だけはなくさないようにしたいな、と思うのでした。
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(もはや前置きの話と全然関係ない。ちなみに最後は島野浦で乗せてもらった漁船から撮った写真です。このとき、全身ずぶ濡れでした。)
この記事を書いた人
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