力強く遙かなる宇宙へ!
5月16日、劇場はオーケストラが織りなす銀河になりました。
宮崎国際音楽祭管弦楽団による演奏会〔4〕「天空のシンフォニー」。下野竜也さんの指揮で、前半はモーツアルトの最後の交響曲第41番。スケールが大きく荘厳な曲で、天空をつかさどる神話の最高神にちなんで「ジュピター」の愛称で知られています。
後半は、アニメ宇宙戦艦ヤマトをモチーフに、故・羽田健太郎が作曲した交響曲「宇宙戦艦ヤマト」。ハネケンの愛称で知られた羽田さんは、ピアニストであり、作曲家であり編曲家。ドラマやアニメ、映画音楽の作曲でも知られ、映画「復活の日」「戦国自衛隊」や、ドラマ「西部警察PARTⅡ」「渡る世間は鬼ばかり」などなど。
「宇宙戦艦ヤマト」は羽田さん唯一の交響曲で、初演は1984年、羽田さんが35歳の時です。演奏会前のプレトークでは、42年前の初演時にヴァイオリンのソロで参加し、今回コンサートマスターをつとめる、前音楽監督の徳永二男さんが、当時の想いなどを語ってくれました。
曲は演奏が50分を超える大曲。アニメのヤマトのテーマも出てきますが、4つの楽章からなる本格的な交響曲で、第一楽章「誕生」、第二楽章「闘い」、第三楽章「祈り」、第四楽章「明日への希望」という副題がついています。
演奏が始まると迫力があり硬軟をつけたオーケストラの音に、観客は没頭。第三楽章「祈り」の終わりに近い部分では、ソプラノ歌手の隠岐彩夏さんが登場。宇宙の彼方から舞い降りてくるような歌声に、くぎ付けです。第四楽章では、ヴァイオリンの三浦文彰音楽監督と、ピアノの髙木竜馬さんの独奏も加わり、オーケストラの美しく力強い音と、ピアノやヴァイオリンが激しく拮抗し呼応しあいながら、宇宙をかけ抜けるように昇っていきます。






下野竜也さんの、全身を使った熱のこもった指揮も含めて、終演後に会場は感動と大きな拍手に包まれました。「とにかくすごかった」「圧倒された」「勇気が出た」という沢山の感想をいただき、宮崎国際音楽祭管弦楽団の底力を強く感じました。
撮影:K.Miura
この記事を書いた人
松坂千尋(まつざか ちひろ)
2024年6月末から宮崎県立芸術劇場の理事長兼館長。
