30年目の一休み

けんげきで働く人

施設利用課に勤務し、ホールをご利用頂くお客様に日々接しています。
とはいいながら・・・。
劇場は今年8月から施設のお貸し出しを停止させていただいております。
なぜかというと、【特定天井耐震工事】といって、3つのホール全ての吊り天井を補強(地震が発生しても天井材が落下する危険がないように)するためです。
東日本大震災の時に、ホールや商業施設、空港等の天井が落ちてきたニュース映像を見た記憶がある方もいらっしゃると思います。今後、いつ起こるか分からない地震に備え、お客様の安全ために必要な工事なのです。
 
それで、現在(9月上旬)どのような状況かと言いますと・・・。
“天井の工事”ということで、ホール内は床から天井まで隙間なく足場が組まれることになりますが、今はその下準備といったところです。

ちなみに アイザックスターンホール は 客席が撤去され、フラットな状態です。残響ハンパないです。

座席は分解して箱に梱包されホワイエに保管しています。

床や壁は養生されていきます。

演劇ホールイベントホール は、なんとドン帳が旅に出ました。
工場でクリーニングされて、また戻ってきます。

1993年11月に開館したこの劇場は、今年30歳となります。
人生の折り返し地点(?)ではないですが、今は一休みしています。
自宅に居ながら、好きなときに好きな作品を美しい画面で鑑賞できる昨今にはなりましたが、舞台芸術は “その時、その空間でしか味わうことができない、アーティストと観客のその場限りの感性の交流” です。それは とてつもなく非効率的であって、とても贅沢な時間です。
2025年、また県民の皆様と “贅沢な時間” を共有できるのを楽しみにしていますので、この劇場を忘れずにいて頂けると嬉しいです。

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A・R
花を活けているときは無心になれます。

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